BLのデザイン

BL漫画の装丁を中心に、デザインを真面目に見ていくブログです。装丁やデザインについて勉強中。

--/--/--

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

2013/03/02

犬とつばめ:雨隠ギト

今回は、以前リクエストしていただいていた、雨隠ギト先生の『犬とつばめ』を紹介させていただきます。

すごく変わった、珍しい印刷がされている装丁の作品です。
非常に良い勉強になったので、私も、是非紹介させていただきたいなーと思っていました!
リクエストして下さった方、ありがとうございます!



基礎情報です。

『犬とつばめ』
雨隠ギド (著)
出版社: まんだらけ(エディス編集部 )
発売日: 2012/1/6
商品の寸法: 18.7 x 13.6 x 2.1 cm
コミック: 164ページ
装丁:吉田直之(NRS516)

君がとなりにいないときに
どこでなにをしてるか知らない
エディスに連載されたお話を1冊にまとめました。
描きおろし (スピンオフ) 2作あります。




エディス編集部さんは、まんだらけの出版部さんなんですね。知りませんでした!
BL漫画を定期的に出版されている編集部さんというわけではないようですが、
調べてみると、画集であったり、絵本であったりを、非常に丁寧に制作されているな、という印象を受けました。
エディス編集部さんから出版された、片山若子さんの画集は、第46回造本装丁コンクールで、日本印刷産業連合会会長賞を受賞されていました。

画像では拝見させていただいたことがあるのですが、実物はまだ見たことが無いので、是非購入したいです。
まさかエディス編集部さんの書籍だとは、存じ上げませんでした!
装丁に興味がある方にはオススメなのではないかと思います。

エディス編集部さんから出版されたBL漫画は、今の所、この作品のみのようです。
そういった意味でも特別な作品なのかもしれません。



装丁を担当されたのは、NRS516の吉田直之さんです。
http://www.nrs516.net/
お名前聞いたことある気がする、と思って調べてみると、
大塚愛の『さくらんぼ』のCDジャケットデザインを担当された方でした。
(このCD買いました~!すごい流行ってた世代です。)
声優さんでは、ほっちゃん(堀江由衣さん)の『Darling』や、
中島愛さんの『ジェリーフィッシュの告白』などの、CDジャケットのアートディレクションを担当されているみたいです。
知らないうちに、吉田さんがデザインされた作品にお目にかかっていたかもしれませんね。



もっと早く紹介したいなーって思っていたのですが、
お恥ずかしながら、加工や紙の種類について、わからないことが結構たくさんあったので、きちんと調べてから紹介させていただきたいと思いました。
とはいえ、あくまで私の目視で観察して調べたまでなので、あまりあてにできないと思うのですが…。



まず、この作品の装丁でびっくりするところは、『カバー無し』だということ!
本体表紙にそのままタイトルとイラストレーションが印刷されています。製本は、無線とじの並製本(ソフトカバー)です。
犬と1
正面から見るとピンとこないかもしれませんが、
背の部分や、角の部分を見ていてだけると、よくわかるかもしれません。
犬と4
犬と12

私の中では、カバー無しの漫画に出会ったが初めてで、すごく新鮮でした!
いつもの、カバーがある状態に慣れているせいか、ちょっと不思議な感覚です。
(何故か文学書を触っている気分になった。)

「カバーが無いって本も素敵だよね!」という話を友人にしたら、「確かに!ペラペラなって邪魔だもんね!」って言われました。
いや、そういう意味ではないです。そういう発想は無かったです。
でもまぁ、ペラペラするのが嫌いな方にもオススメということで(笑)



紙はファーストビンテージというもので、色はターコイズだと思います。
ファーストビンテージは、2種類のパルプを配合していて、結構繊維がしっかり見える感じのカラークラフトペーパーです。
犬と7
名前の通り、しっかり使い込んだ、ビンテージの風合いがあります。
薄物から厚物までありますが、この作品では厚物が使われています。

この紙自体は、大手の画材屋さんで手軽に手に入れることが出来ます。
以前から素敵だな〜と思ってはいたのですが、『こういう使い方もできるのか!』と、目から鱗でした!



この作品の装丁では、もともと色のついた紙を使っているので、
4C(CMYK)+白インキを使っています。
犬と8
肌や、服に使われているのはよくわかると思います。髪の明るさとして上げないといけない部分にも、白が使われているのだと思います。

『白インキ』というのは印刷で頻繁に使われるものではありませんが、この作品のように、色紙に印刷したいときや、透明な紙に白を印刷したいときなどに活躍します。
(白い紙に印刷するときは、明るい部分には、そのまま紙の白が抜けて出ますが、もともと色がついた紙に印刷する場合、明るいところは地の色が出てしまいます。ですから、明るい部分には、白のインキを使うなり、なんらかの処置をしなければならないのですね。勉強になります!)



本体表紙全体に、キラッと光る、ツバメの模様が印刷されています。
(これも画像ではうまく伝わらないので、是非実物を見て頂きたいです!)
犬と3

これはどうやってしたのかな?とずっと気になっていましたが、おそらくパールインキが使われているのだと思います。
『パールインキ』は、金・銀・蛍光インキなどと同様、特殊インキの一つです。
インキでの表現ですので、UV厚盛り印刷のような凹凸は出ません。つや感もあまり出ませんね。
ですが、光に反射して、キラッとさりげなく光ってすごく可愛らしいです!
全体につばめの模様を施すことで、まるでオリジナルのラッピングペーパーみたいな雰囲気になりますね。
この作品を購入した時点ではまだ大学に入って無かったので、「こういう紙があるのか?」と、思っていました。
こういう作品、自分でも作ってみたいですっ!



タイトル文字は黒の箔押しです。
犬と5
『箔押し』というと、金や銀のイメージがあるかもしれませんが、他の色の箔押しもあるんですよ。
あまり表に出ていませんが、最近では蛍光箔押しというのもあるそうです!

(しつこいですが、)この紙はもともと色がついていて、繊維がよく見える紙なので、インキをのせても紙の色や質感がどうしても見えてしまいますよね。もちろん、この作品ではそれが魅力です!
ただ、紙の質感の干渉を受けたくない部分には、(この作品ではタイトル部分に、)箔押しが使われていますね。
黒インキをのせるだけだと、こんなにしっかりのっぺり色がのりませんからね。



帯の紙はストライプ模様のトレーシングペーパー(の何か)です。
(エディス編集部さんのお話によると、この帯は、元々ストライプの紙ではなく、印刷だそうです。)
触った感じは、しっとりというよりは硬くてしっかりした感じです。透明感もありますね。
犬と9

そして何と、
限定版では、この帯と同じ紙で、書籍全部を包んでいる紙袋になっているそうなんです。(アマゾンさんの画像でご確認下さい。)
何それ素敵~っ!!
私は普通に書店さんで購入したので、通常版しか持っていないんですよね…。(装丁ブログと言っているのに、ふがいない!)

袋の実物を見ているわけではないので、あくまで想像ですが、
袋をびりびり破って、中から本を取り出すわくわく感、を味わえるのではないかと思います。
サプライズですね!



この作品の装丁からは、すごくたくさんのことを勉強させて頂きました。
素晴らしいBL作品であり、私にとってはデザインの教材みただなと思いました!
犬と2
『君がとなりにいないとき
どこでなにをしているか知らない』

というセリフは、この作品を読む前と、読んだ後では、感じ方が全然違いました。
読む前は、なにそれ当たり前じゃん。と思っていましたが、読んだ後は、じんわり心にしみるというか、刺さる言葉だな、と。
何でも無いときに、この言葉をふいに思い出したりして、背中を押されるような気持ちになったことがあります。
ずっと大切に読みたいな、と思う作品の一つです。
興味を持って頂けた方は、是非一度読んでみてください。
装丁も、じっくり味わってみてくださいね。



明日(3日)から一週間くらいスペインに行ってきます。
学校の建築研修ツアーですので、自由に本屋さんによったりする時間はないかもしれませんが、しっかり勉強して、自分の肥やしにしてきたいと思います。
『こいつBL漫画でしか勉強してねー!』と思われないように、たまには他の分野でも勉強させていただきたいと思います。
グラフィックデザインの学生ですが、以前から建築が大好きだったので、すごく楽しみです。ガウディ大好き。
ですので、この一週間ほど、更新と、コメントの返信ができないと思います。
申し訳ありませんが、ご了承下さい。



著作権者様から、このブログで使用している画像の削除依頼があれば、迅速に対応させていただきます。
スポンサーサイト

≪ スペイン旅行:建築研修①ホーム東京心中 上・下:トウテムポール ≫

Comment

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

Re: タイトルなし

ザ・貴腐人様

いつもありがとうございます!
そうですそうです!和紙みたいな手触りです!
私もこのお話、優しくて大好きで、大切にしたい作品です。

コメントの投稿

管理人にのみ表示する

Track Back

TB URL

Home

 

プロフィール

カジワラ

Author:カジワラ
BL漫画のファンです。素敵な装丁の漫画を手に取るとたまらない気持ちになります。
勉強もかねて、BLのことや、装丁、デザイン、書籍周辺などについて、書いていこうと思います。

ご連絡はこちら。
blgasuki★gmail.com
★を@に変えてお送り下さい。

カテゴリ

最新記事

月別アーカイブ

最新コメント

Twitter

検索フォーム

ブログランキング

にほんブログ村 漫画ブログ BL漫画感想へ

FC2Blog Ranking

にほんブログ村 デザインブログ エディトリアルデザインへ
にほんブログ村 デザインブログへ

リンク

このブログをリンクに追加する

RSSリンクの表示

QRコード

QR

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。