BLのデザイン

BL漫画の装丁を中心に、デザインを真面目に見ていくブログです。装丁やデザインについて勉強中。

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2014/01/31

高3限定:梶本レイカ

大変大変、お久しぶりです。
もうお久しぶり過ぎて、ブログの書き方も忘れちゃいそうなんですが、長期休暇を利用しまして、またひっそりとブログ復活させたいと思います。


今回は、梶本レイカ先生の『高3限定』をご紹介させていただきます。
全3巻で完結しているこのシリーズですが、装丁としては特に1巻3巻が特殊ですので、言及したいなと思います。




『高3限定』
梶本レイカ (著)
出版社: ふゅーじょんぷろだくと
発売日: 2012/5/24
商品パッケージの寸法: 21 x 14.8 x 2.2 cm
装丁:不明

“これはただの恋じゃない。”
それは男子校に伝わる禁断の都市伝説。
選ばれた生徒は1年間、先生とセックスができます。
(条件)精子がたくさん出るいい子であるコト
幻の作品、遂にコミックス化!!




と、紹介文では非常にアダルトな感じですが(笑)
どちらかと言うと、グロテスクな描写が多かったので、そっちの方がショックが大きかったです。
この作品を人にオススメする時、非常に悩みます。
苦手な方は、間違いなく苦手だろうなと思うような表現がありますので。
ジャンルとしては、『ホラー』なのか、『サスペンス』なのか、『サイコ』なのか、『ラブストーリー』なのか、もう『BL』だともはっきり言えないような、そういう既存の枠に縛ることの出来ない作品だと思います。



装丁を担当されたデザイナーさんですが、書籍本体に特に記載が無かったため不明とさせていただきました。
ですが、『ふゅーじょんぷろだくと』さんにはデザイン部署があるようですので、おそらく、編集部にお勤めのデザイナーさんが担当されたんだと思います。
『ふゅーじょんぷろだくと』さんから発売されている書籍は、殆ど『ふゅーじょんぷろだくと』さんにお勤めのデザイナーさんが担当されているのだと思います。
大胆なデザインで、驚かされることも多々あります。
この『高3限定』も、その一つです。


ではまず、『高3限定』1巻から紹介していきたいと思います。
kousan1.png
人物の後ろ姿のイラストレーションに、背中には何やら赤い…うん。
そして、イラストレーションに大胆に被せたタイトル。

まず、BL漫画に限って言えば、人物の『後ろ姿』のみが表紙になるという例は、これまで殆ど無かったように思います。
同じく『ふゅーじょんぷろだくと』さんから発売されている、
青井れん先生の『フジワラくんとセトくんのはなし。』でも人物の後ろ姿のみの構成ですが、まだまだ最近の部類だと思います。

これまで紹介させていただいた作品の表紙でも、キャラクターの『顔』の扱いについて何度か触れてきましたが、

顔の一部が隠れている例−『ストロボスコープ』『完璧な飼育
顔が表紙の隅にある例−『囀る鳥は羽ばたかない
デフォルメ化されている例ー『僕の先輩

ついに、キャラクターの顔を『見せない』表紙までも出現しましたね!
(受も攻も無い表紙ですし。)
BLとしてのアイデンティティよりも、作品固有の世界観重視のデザインだということでしょうか。



そして先ほど『赤い…』なんてボカした言い方をしましたが、よって見ると…
kousan2.jpg
何だかわかりますよね?
(私は個人的に、この形が何なのか気づいた時、「あ…、買わなくては…」と使命感のようなものに駆られて、買ってしまいました。)

この赤が(まぁケロイドなんですけど)、パッと見では、とても美しいんです。
形の意味に気づいた後は、『美しい』と思ってしまったことに恐怖しました。
そういう、『不気味な美しさ』がある作品です。

表現としては、ケロイド部分に『UVニス加工』がされています。
艶やかな光沢が表現されていますね。
この加工は、元の紙にも光沢があると、あまり効果が出にくいので、元の紙にも『マットPP加工』という方法でつや消しをしているのではないかと思います。
以前紹介させていただいた『完璧な飼育』と同じ加工ですかね。
デザインを勉強してる人にとっては、素晴らしい印刷サンプルなのですが、本屋さんで誰でも買えるっていうのが感動ですね。



2巻の表紙には、キャラクターの横顔が使われています。
これも大胆で美しいです。よく見るとゾッとするような美しさもありますし。
kousan3.png



続きまして3巻ですが…、
kousan4.png
もう『顔』どころじゃない!

1巻ではよく見たら気づく程度だったケロイドを、全面に押し出すデザインです。
これを見たときは衝撃でした。
シリーズ作品ならではの表現とも言えますが、
人物のイラストレーションがまったく無い表紙です。
実は、人物描写が全く無いBL漫画の表紙っていうのも、『ふゅーじょんぷろだくと』さんから発売されている作品にあるんです。
かつらぎ先生の『ぼくらの不思議な恋事情』です。

『ふゅーじょんぷろだくと』さんは、このようなBL漫画としては冒険的な装丁表現をよくされているように思います。
漫画の表紙全体の傾向から見ても、キャラクターが表紙にいない作品というのは、最近になってやっと増えてきたものだと感じます。
(『ちゃお』の表紙から少女が消える…なんてことは無いでしょうが。)

1巻と同様の『UVニス加工』がされています。
kousan5.png
圧巻の美しさです。

BLや漫画媒体に関わらず、パロディ作品などではこういう表現は結構見られます。
元にする作品にある程度の認知度があるわけですから、少ない要素だけで『あのキャラクターだ!』とか、『あの絵画だ!』と気づきますよね。シルエットのみとか、色面構成のみとか。
元々のそういう知名度が無い作品で、『顔や人物を見せない』漫画の表紙っていうのは新鮮に感じられました。



私はどちらかというと、BLに癒しを求めている傾向にあると自分でも思っているのですが、この作品は『自分自身の癒し』にはならないんですよね。
2巻の帯に『手が震えても、涙が溢れても、読んでください。』とありましたが、まさにそんな感じで『大声では言えないけど…、読んでみて欲しい!!』みたいな、そういうギリギリのラインにある作品だと思います。
グロテスクな表現があると言いましたが、決していたずらに描かれているわけではないというのは伝わってきます。
この作品が描こうとしている『救済』のためには必要な残虐性だと思います。
フィクションであるからこそ表現出来る『現実味』なんです。
あとがきなど読むと、梶本レイカ先生も悩みながら描かれていたようで、この作品が世の中に出ているというのは、本当にすごいことなんだなと思います。
少なくとも私は、この作品を読んで良かったです。貴重な読書体験でした。

完結している作品ですので、もし興味を持たれた方には是非試していただきたいです!
とりあえず1巻から、少しずつ、うす目で確かめながら。



学生の身ですので、どうしても更新が不定期になってしまいますが、ブログの更新を止める際は、一言告知してからやめようと思っていますので、長い目で見守っていただければと思います。
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Author:カジワラ
BL漫画のファンです。素敵な装丁の漫画を手に取るとたまらない気持ちになります。
勉強もかねて、BLのことや、装丁、デザイン、書籍周辺などについて、書いていこうと思います。

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blgasuki★gmail.com
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