BLのデザイン

BL漫画の装丁を中心に、デザインを真面目に見ていくブログです。装丁やデザインについて勉強中。

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2013/02/18

equus:えすとえむ

今回は、えすとえむ先生の『equus』について書きたいと思います。


何を今更、という感じかもしれませんが(笑)。
装丁が素晴らしいBL漫画と言えばコレ、みたいなイメージですよね。「装丁買いした」なんて人もいるのではないでしょうか?
この作品は、この『BLがやばい!2012年度版』で第6位にランクインしてましたし、とても有名な作品です。
ケンタウロスの恋を描く、ファンタジー作品ということで、発売当時は、私もその設定の独特さに驚いた記憶があります。
そして装丁を見て愕然。『こんなこと、コミックでしていいのっ!?』と、漫画の装丁の概念が変わりました。



基本情報です。

『equus』
えすとえむ (著)
出版社: 祥伝社(Feelコミックス オンブルー)
発売日: 2011/4/25
商品の寸法: 18.2 x 12.8 cm
装丁:teracco

ケンタウロスと恋をする──。異色のファンタジック・ラブストーリー集! 【ケンタウロス】ギリシア神話に登場する、上半身が人間で下半身が馬の種族。寿命は数百年に及ぶ。 ケンタウロスと人間たちは……日本の大学では誰よりも普通の恋をし、平安末期の武家社会では主従関係を結び、西欧の悪趣味な館では奴隷と主人となった──。さまざまな時代と国で交わされる、切なく扇情的な異種恋愛譚8編を収録。商業誌未発表の今シリーズに加筆修正の上、「Bay Silver 3」を描き下ろし。




またまた、祥伝社さんのonBLUEさんから出版されたコミックスです。
このブログでonBLUEさ作品を紹介させていただくのは三回目になります。
確かに私はonBLUEさんのファンではありますが!出版社さんについても、まんべんなく紹介させていただきたいので(以前も言った通り)、
どうしても紹介したい、というか、せざるを得ないくらいの素晴らしい作品がたくさんあって、ちょっと悔しいくらいです(笑)。

そういえば、onBLUEさんのロゴマークについてまだ紹介させていただいてませんでしたね。
equus6.jpgequus7.jpgequus8.jpg
小文字の『o』と大文字の『B』をモチーフにしたデザインです。
作品に合わせて、文字自体の色と、oの中の色を変えられてるんですね。非常にかわいい!
きちんと、ロゴマークの造形を生かしつつ、作品の個性とも合わせられる、素晴らしいロゴマークだと思います。



そして、この装丁を担当されたのはteraccoさんです。
http://nectar.pepper.jp/index.html
デザイン業の他には、イラストレーターとしても活躍されている方です。
イラストレーションの方も拝見させていただきましたが、非常に可愛いらしい作品でした!
小学館のえいご絵本シリーズ』のイラストレーションを担当されています。
あと、気になったのは、フリーになる以前『お茶犬』関連のデザインもされていたそうです。
(本人にお聞きしたところ、キャラクターデザインの担当ではないということでした。でも、十分すごいと思う。)
あの、ちょっと言うの恥ずかしいんですけど、私、小学生の時「お茶犬クラブ」っていうお茶犬大好き同盟を友達と作ってて(笑)それくらい当時は好きだったので、結構びっくりしました!
装丁では、えすとえむ先生の『クシュラル』の担当もされています!こちらも話題作ですね。是非チェックしてみて下さい。



この作品は、ケンタウロス達を主人公にした短編集ということで、様々な時代や国が描かれています。
装丁のイメージとしては、実在する歴史書ような雰囲気に仕上げたかったのではないでしょうか。(というか、私はそういうイメージを受けました。)
良い意味で格式高いイメージといいますか。実際の値段が安いと感じるくらい、高そうに見える。
equus1.jpg
かなりびっくりするような設定であるにも関わらず、「あ~あったよねそういうこと」みたいな感じで、違和感なく受け入れられたのは、装丁の効果もあるのではないでしょうか。



ぱっと目につくのは、まず金の箔押しですよね。
『箔押し』は、特にデザインに詳しくないような方でも一度は耳にしたことがあるくらい、メージャーな特殊加工みたいです。
(人気の加工だけあって、箔押しを取り扱っている印刷会社さんはたくさんあります。ですが、私のような貧乏学生にしてみれば、未だあこがれの贅沢です!オフセット4C印刷の3倍くらいの値段がするらしいです。)
equus2.jpg
この箔押しの効果で、非常に豪華で、格式あるイメージに仕上がっていますね。



カバーに使われている紙は(多分)ジャガードGAっていうやつだと思います。
織をイメージしたエンボス加工の紙で、布みたいな凹凸があります。結構しっかりした紙なので、壁紙みたいな感じですね。
equus5.jpg
紙自体に凹凸があるので箔押しすると、ぎゅっと沈んで、箔押しが引き立ちます。
箔押しと相性がいい紙かもしれません。
equus4.jpg
凹凸がある分、発色がマットになります。
(確か、色はスノーホワイトしか無かったと思うんですけど、クリーム色っぽく見えますね。こういう色に印刷してるんでしょうか?)
こういう紙は、色彩を鮮やかに見せたいイラストレーションには向いていないかもしれません。ですが、この作品の雰囲気とはすごく合っていますよね。

この紙なら、汚れや日焼けもそんなに汚い感じにはならないはずです。
革の財布みたいに、『味』になるのではないでしょうか。
そういう意味も含めて、長く大切に読まれて欲しい作品です。



表紙には額縁と植物模様。
画面下方には植物のイラストレーションがあります。
植物の緑に合わせて、一番外の枠の色は、黒ではなく深い緑。
カバー下、本体表紙にも緑のインクが使われています。
equus9.jpgequus10.jpg

このように、額縁と植物模様で装飾された本の表紙って、ウィリアム・モリス(1834年-1896年)のケルムスコット・プレスで制作された書物を思い出します。(デザイン史で一番最初に習うやつです。テストに出ます(笑))
equus11.jpg

それまで書籍に求められることは、『情報』だけだったのですが、
この書物(ケルムスコットプレス)では『美しさ』にこだわって作られている、という点で、デザイン史的には大きなポイントになります。
装丁デザインの元祖というか…。文字の形をデザインするという概念も、書物のデザインから生まれたみたいですし。
確か、アーツアンドクラフツ運動(というデザインの運動)も、ここからスタートしたんですよね。
そう考えると、『装丁のデザイン』って本当に偉大だな〜って思います。

現在の書籍の価値は、また『情報』に重点を置いた方向に進みつつありますね。(電子書籍であったり、そもそも書籍ではなく情報単体であったり。)
アンチ電子書籍というわけでは無いのですが、デザインの歴史を踏まえて考えると、単純に、ちょっとさみしい気もします。もちろん、デザインって時代の流れによって変わるものだと思うので、電子書籍自体はまったく悪いものだとは思ってませんよ。(だって便利ですもん。しょうがないって…。)

話がちょっとそれましたが。
この作品のような装丁に、『伝統ある』みたいなイメージを抱くのは、モリスの装丁デザインからきているのだと思いました。



そして、私がこの装丁で最も好きなところ!
作品と作品の間の遊びのページに、紐のしおりの写真が印刷がされていること!
equus3.jpg
上製本の文芸書みたいに、紐の写真がプリントされているんですよね〜。
非常に可愛らしい上に、作品と作品の間の「ちょっと一息」みたいな余韻を生み出します。
ソフトカバーのコミックスだからこそ、このような演出がきいてますね。
作品の雰囲気ともよく合っています。

物語に夢中になっていると、間のページにあまり意識が向かないものですが、(私も始め気づかなかったです!)
読み終わって、改めてもう一度読み返す時など、こちらも楽しみながら読んでみて下さい。



モリスのケルムスコットプレスの書物が、デザインの革命であったように、
私の中では、この作品がデザイン意識へのちょっとした革命になりました。
本が本であることの素晴らしさを、あらためて実感させていただきました。
ぜひぜひ、手に取って、長く持っていただきたい作品です。
えすとえむ先生は、最近は一般誌でも活躍なさっていますね!
同じく、ケンタウロスを主人公にした作品で、『はたらけケンタウロス!』も、大変面白いので、未読の方は是非チェックしてみて下さい!



ただ今実家に帰省中です。実家の母が、私のブログを見たらしく、一言、「長い」と言われました(笑)。確かに(笑)。
語りたがってて鬱陶しいな、とは思います。いまさらですが。
きちんとデザインを学ばれた方には「なにを当たり前のことを偉そうに」と思われるかもしれませんが、勉強中の身ですので、毎日が発見の連続で、
『うおおお!これは皆に教えたい!!』という衝動の現れでこのブログをやってます。
これからもウンチク垂れ流しながら頑張りたいと思います。



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Re: タイトルなし

ザ・貴腐人様、

いつも見ていただいてありがとうございます。

履歴の件?は、ちょっとよくわからないのですが、
多分大丈夫かと…。思われます。
あまり詳しくなくて、はっきりしたこと言えなくてすみません。

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カジワラ

Author:カジワラ
BL漫画のファンです。素敵な装丁の漫画を手に取るとたまらない気持ちになります。
勉強もかねて、BLのことや、装丁、デザイン、書籍周辺などについて、書いていこうと思います。

ご連絡はこちら。
blgasuki★gmail.com
★を@に変えてお送り下さい。

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